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更年期障害の気の補い

更年期障害の鍼灸治療(調整)

ホットフラッシュ、めまい、頭痛、疲労感等が目立つようになり日常生活にも影響があるようになり不安である、と言ったお悩みでご来院される方がいらっしゃるのが当院における傾向の一つです。まずは医療機関に、その上で日常生活の苦痛が上手く解消されずに困っている方が鍼灸で何とかならないか、40台後半位から調子を崩しやすくなってきた、生理周期と体調との関連が気になる、、、、等に対する鍼灸治療は当院においては気の流れのスムーズさが失われている結果として捉えています。

更年期障害、エネルギー

年齢的なもの、と言うことは誰もが頭にあることかと思います。もちろん、年齢とともに回復力が落ちる、疲労回復が遅くなると言うことは誰にでも当てはまります。よく、東洋医学で「補う」と言いますが、不足しているエネルギーを補うこと、と言う意味で捉えますが、このエネルギーを補うと言う意味は大きく分けて2つに分けられます。

ひとつは補うことができるエネルギー、もうひとつは補うことができないエネルギーです。

補うことができないエネルギーとは、年齢によるエネルギーの不足、いわゆる加齢に起因するものです。これは誰にでも共通のもので、燃えるろうそくの長さにも例えることができます。燃えて短くなったろうそくは長くすることができない、と言う意味です。気(き)と言う言葉で例えると「先天の気」、先天のエネルギーとも言います。

先天のエネルギーに対して補うことができるのは後天のエネルギー、後天の気とも言います。食べる、寝ることが大きなエネルギーの補充ですが、精神的な満足度も含めて趣味や人との交流など日常生活の中での精神的な意味での満足度も含めた心身両面のエネルギーの補充と考えてよいかと思います。

どうエネルギーを補うか

では、加齢によるエネルギーの不足はどうすることもできないのか、と思われるのではないかと思いますが、確かに加齢による気、エネルギーの不足は何ともできないものですが私たちの気、エネルギーは先天の気(加齢による)、また後天の気(食事、睡眠など)を全く別のものとして分けて考えることができない、と言うところに更年期障害の苦痛に対しての鍼灸での調整のヒントがあります。

年齢を重ねることで確かに疲労回復が遅くなったり、痛いところが出てきやすくなったりと言うことはありますが、それでも私たちの体内のリズムはしっかりと働いていて自然治癒力、回復力がなくなるということはありません。

通常、年齢が高くなるほど朝がつらい、高齢者の場合、朝起きてからしばらくは足腰が痛いけれど時間が経つと動けるようになってくる、と言う傾向があります。これは、確かに足腰の痛みはあってもそれは加齢により朝の時間帯に身体がすぐに動ける状態に切り替わらない、切り替わるのに時間を要する、と言うことでこれは高齢の方にとってみられる自然な現象です。本当に足や腰に悪い所があったら起床して時間が経ってもずっと痛くて動けません。こうしたことが年齢とともに身体に起こってくるのです。

この場合はどのように鍼灸で調整をするかと言いますと、朝の時間帯に身体の調子が出やすくなるようにしていきます。通常ですと足、腰の調子だから足や腰のツボに鍼をするのだろうと思われることと思いますが、もちろん脚(足)腰も診ますが、大切なのは身体のリズムが夜から朝のリズムに切り替わりやすいようにする鍼灸を行うことです。朝の調子が出やすくなると自然と足腰が動きやすくなります。痛みはあっても動ける、という状態にしていくことで、痛くて動けないという状態にならないように予防するという意味の調整も合わせて行います。予防と現在の状態の治療を同時に行うことをするというスタンスが年齢による症状の現われに対しては大切になります。40代、50代、60代、年齢による身体の変化はあっても治療の中に予防も含めるということはどの年代の方に対しても行います。

ろうそくの長さに例えましたが、日常感じる不快感は若い時には一致していた何かが一致しなくなった結果ではないか、と思うことがあります。それは、若い時には補充できるエネルギー(飲食、睡眠、人間関係など)の足し引き(エネルギーの補充と発散の比率)にあまり差がない、逆に言うと仕事やスポーツなどで消費したエネルギーを睡眠や食事などで補充する、プラスマイナスの比率にあまり差がない、バランスが比較的取れているのに対して、年齢とともに発散するエネルギーが減少し、補充できるエネルギー量もそれに対して少なくなっていく、またエネルギーの発散と補充の比率も日常生活の中で何となくバランスが悪い、エネルギーを使いたいけれど力が出ない、また、動くと具合が悪くなる等、若い時のようなスムーズなエネルギーの消費と補充がすっきりとできない、と言う傾向があります。補充と消耗(発散)のバランスにずれがあると言う感覚でしょうか。

鍼灸を行う際に経絡(けいらく=ツボを結んだ気の流れ道)、ツボをどのように選んで治療を行うかと言うことが大切になりますが、症状がつらい時にはツボの現れ方(皮膚の状態、たとえば背中の左右の皮膚の元気さ)、また背中の硬さ(背中の筋肉の左右の硬さ、盛り上がり方など)に目立ったところが出てくる傾向があります。

左右差が大きかったり、肩甲骨の周囲がとても硬かったり、背中の、胃の裏側あたりが力がなかったり、そうした傾向の顕著なところを中心として鍼、またはお灸を行うことでエネルギーを補うことをしていきます。

実際に若い人には腕や脚(足)のツボを用いて鍼灸治療を行うのに対して、年齢とともに手足よりも背中やお腹のツボを中心とした治療になる傾向があります。手足は木に例えると枝葉(えだは)の部分で、背中やお腹は幹(みき)、根っこに当たります。エネルギーを補うのに枝葉ではなく幹や根っこに当たる背中やお腹のツボを中心とした鍼灸治療を行い、手足のツボはあえて用いない、と言う方法を取ることもあります。しっかりと幹、根っこである内臓にエネルギーを溜めるためです。エネルギーが充足されることがまず優先順位として大切になります。

内臓にしっかりとエネルギーが溜まりやすい状態になると次のような変化が感じられます。

・呼吸が深くなる ・目、頭が軽くなる ・背中、足が温まる ・胃が楽になる(お腹がすっきりする)

こうしたいい反応が出るためには背中やお腹に表れているツボの変化をよく見てツボ(皮膚)の状態や脈の状態が元気な感じになるようにしていくことを目安として鍼灸治療を行います。

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