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アトピー性皮膚炎の鍼灸(痛みのない鍼を行います)

アトピー性皮膚炎の鍼灸治療は鍼とお灸を組み合わせて診ていきます。

時代の移り変わりとともにアトピー性皮膚炎で苦しむ方が増えてきています。その原因の一つに自然とともに暮らす生活から都市型の生活へ変わったことが挙げられると感じています。それは、体質的にも昔の人の方が頑丈でメンタル的にもタフであった、逆に言えば現代は昔にはなかった精神的な苦痛や食生活の変化など、私たちの心身を頑丈にするのではなく、疲弊させる要素が増えたことも皮膚症状に悩む方が増えたことと無関係ではないと感じています。また、昨今の異常気象、特に夏の異常な暑さもアトピーの症状の辛さの大きな要因となっていると感じています。肉体だけでなく精神的な面でのストレスを発散する、心身両面のデトックスがしにくい時代となっています。スマホ、パソコン、人工的な加工された食品、空気や飲み水の質等の影響から身を守ることを考えながらいかに自然な心身のリズム(気の巡りのいい状態)にしていけるかが皮ふの状態を保つ上でとても大切になります。身近なところで出来ることは自然な旬の野菜や果物を食べることです(アレルギーの状態により食べ物を選ぶ必要がある上で)。

実際の鍼灸治療

〇環境やストレスなどに対して抵抗力をつけていく

〇睡眠を取りやすくなるようにしていく

そのために効果のあるツボに痛みのない鍼、熱くないお灸を行うことで心身が休まり回復(内臓、自律神経の働き)をさせていきます。

鍼は痛みを感じずに、お灸も熱さを我慢しない程度に、ツボの数も少なめにし、心身の状態を脈診(みゃくしん=手首のところの脈の元気さを診ます)をしながら皮膚の状態が程よい、よい感覚になるように調整をしていきます。

鍼(手脚のツボに)・・・季節変化により締まる、緩むと言う「変化」をする皮膚の状態の調整

お灸(背中のツボに)・・・皮ふの修復に裏側で支援をしてくれる体力面、抵抗力をつける、免疫力を上げる

と言うことを目的とするからです。皮ふの状態だけを診るのではなく本来持ち合わせている自然治癒力を生かすために身体の内側の調整をしていかないと皮ふそのものにも抵抗力がつかないと考えるからです。(折り紙で折った鶴をつなぎとめている細い糸は表面からは見えませんが華やかな千羽鶴を成り立たせる上で無くてはならないものです)。

スクロールできます
陽の季節有効な穴陰の季節
立春2月4日ごろから水穴 土穴 (穴)立秋8月8日ごろから
雨水
啓蟄
2月19日
3月6日
水穴 火穴处暑
白露
8月22日
9月6日
春分3月21日水穴 土穴 (穴)秋分9月23日
清明4月6日水穴 火穴寒露10月8日
土用
穀雨
4月17日
4月20日
火穴 金穴土用
霜降
10月20日
10月22日
立夏5月5日木穴 土穴 金穴立冬11月8日
小満
芒種
5月21日
6月6日
木穴 金穴小雪
大雪
11月22日
12月7日
夏至6月22日木穴 金穴(穴)冬至12月22日
小暑7月7日木穴 金穴小寒1月6日
土用
大暑
7月20日
7月23日
火穴 金穴土用
大寒
1月17日
1月20日

表:木は春、火は夏、土は各季節の間、金は秋、水は冬 と言う意味でそれぞれのツボの使い分けをします。

鍼は目に見える症状としては現れないけれど苦痛を感じる「気」の調整に効果がありお灸は実際に形に現れる(皮膚の荒れ、色の変化)病変の調整に効果があると言う考え方に基づいています。

季節に応じて脈の状態も変化しますが調子が悪いときには季節に応じた脈の状態でないことが多いです。たとえば夏は脈が浮いている、冬はやや沈んでいるのが季節に合った脈の状態なのですが夏なのに冬のような脈の状態であることがあります。こうした脈のずれを現在の季節の脈に戻してあげる調整は全身的な調子を上げていく上でとても大切です。お通じや睡眠などにも関わってきます。もちろん皮膚症状とも大きな関りがあります。

「虚邪はその季節の母穴を補い、 実邪はその季節の子穴を瀉す。」

虚邪
前の季節の脈
今の季節
健康または正邪
実邪
次の季節の脈
春(弦)鉤(洪)
夏(鉤)
鉤(洪)土用(緩)
秋(毛)
冬(石)弦脈
弦脈木穴
鉤(洪)脈火穴
緩脈土穴
毛脈金穴
石脈水穴







気とは形に見えないものを意味します。心の状態や昼間と夜で身体のリズムが異なる(活動と休息)ことは自律神経と言う言葉で表現することはできますが一人一人の症状の本質的なつらさを過去、現在、未来と時間軸で捉えることは現代医学の不得意とするところです。客観的なデータとしての数値(血液検査)や画像診断により肉眼的に見ることのできるものに対して「客観的に見ることはできなくても実際に感じることができるもの」の存在を否定すことはできません。季節変化により有効なツボも変わります(上図)。特にツボの反応、脈の状態が現在の季節とどのくらいずれているかにより有効なツボが決まってきます。季節に合った身体にしていくためのツボに鍼、お灸を行うということが大切になります。

血(けつ)とは客観的に見ることのできるもの(血液検査の結果や画像診断だけでなく、形に現れるものそのものとしての症状)を言います。皮膚の状態が良くないことも「形」に現れた症状として考えます。血を「ち」つまり赤い血液だけを意味するのではなく「けつ」と言う読み方をするのは実際に実在する私たちの身体の組織そのもの(内臓はもちろん爪や髪の毛までも含む)を総称したものとして考えます。この気と血(けつ)と言う認識できないもの、認識できるもの二つの要素により私たちの身体は成り立っています。皮膚の色の変化、慢性的なつらさの動かない状態も血(けつ)の病変であることを示します(変化が著しい病変は気の病と位置付けます。気の病とはいわゆる「気のせい、気持ちの問題」と言う意味とは違い、つらさの程度が位置に血の時間帯や日によって波があることを言います)。

精神状態など客観的な数値としてあらわすことのできない要素と実際に身体に何らかの異常(皮膚の状態)として現れた症状の関連はひとりひとりの気質、体質により鍼灸による調整も画一的なものではなくその方の素因(気質、体質)に合ったものでなければなりません。

精神的な面でのケア等形に現れない要素に対しては鍼が向いています。

形に現れている皮膚の荒れ、血液検査の異常などの改善を目的とした調整にはお灸が向いています。

ただこれも完全に二つに分けられるものではなく鍼を行うにもお灸を行うにもその加減(鍼とお灸の量的、質的な組み合わせ)も当然ひとりひとり異なります。ひとりひとりの置かれている状況が異なることは当然ではありますが、体力的な要素、メンタル的な要素の双方をその方に合った内容で調整していかなければなりません。陰陽論と言う考え方がありますが、昼と夜では身体(心身のリズム)が異なるように季節の変化(暑さ寒さ)に体がついていけない、日常生活を送る上でも飲食の不摂生、過度の疲労(精神の消耗)等、一定のリズムを保って生活することがなかなかできない状況が活動と休息と言う「陰と陽」のリズムを狂わす要因となります。

陰と陽とは本来、私たちの身体(心)に備わっている自己調節機能のリズムのことでもあります。このリズムが本来の調子を失うことで「その人にとっての危険信号」を発します。ある人にとっては頭痛であり、またある人にとってはお腹の調子、睡眠、、、アトピーの症状で苦しむ方にとってもこれらの自然のリズムを常に考えたうえで鍼灸を行っていきます。

アトピーだけに限らず鍼灸を受けにいらっしゃる方に共通すること。

  • 食べもの・・・食品添加物、加工食品等の摂取→身体が拒否して外に出したがっている反応として皮膚が荒れる
  • 生活環境・・・アスファルトに囲まれた環境、土(自然)に直接触れることのない生活→心身が本来持つ「本能」を発揮できない
  • スマホ、LEDの普及による「見えない刺激」による影響。昔は夜道の街灯には虫が集まっていたものですが、今のLEDの光には虫も寄り付きません。
  • ・精神的なストレス・・・パソコン、スマホを長時間使用することにより頭、脳が休まらない、睡眠にも影響する。

これらの現代社会における心身への負荷を軽減させることも同時に考慮して皮膚の状態をよくしていく鍼灸を行います。

皮膚の状態をよくするためには

鍼灸治療ではありませんが、ひまし油シップ、リンゴダイエット、腸内洗浄を行うことで皮膚の状態を楽に保ちやすくなります(もちろん個人差はありますが)。テンプルビューティフルと言う会社でこれらを扱っています一度調べてみてはいかがでしょうか。鍼灸と併用されることで効果も期待できます。ただ、長年に渡るアトピーの場合は効果が出始めるまでに時間がかかる場合が多いです。

呼吸が深くなるように調整する

アトピーに限らず自律神経のバランスが崩れている場合には深い呼吸ができていないことが多いです。呼吸が深くなるように鍼灸で調整することで皮膚の状態が良くなる確率が高まります。

精神安定効果、頭や目がすっきりとする

深い呼吸ができるようになると胸や頭、目の重さが軽くなり精神的にも落ち着く効果があります。同時に見られる変化として皮膚の状態が滑らかな感じになります。背中の左右のコリ(左右に偏ったコリの見た目の高さ)も整いやすくなります。このことは内臓にもいい影響を及ぼします(消化吸収排泄を含めた自律神経の働きを良くする)。

頭寒足熱の状態になるようにする

アトピーの方の中でも暑さに弱い方にとって、頭や耳の周りが涼しい感じで、足の冷えが楽な状態になることが大切です。

食事と睡眠

できるだけ自然なものを摂り、睡眠状態(夜間のかゆみ)を良好なものにするために食事と睡眠の調和が取れるようにセルフケアについてもお話します。

当院におけるアトピーの鍼灸治療は少なめの刺激の全身治療です。

脈(手首のところの脈)を診て睡眠、食欲、お通じの状況を探り、声の張り(声の明瞭さ)、実際の皮膚の状態を診て一人一人にあったツボに鍼、またはお灸を行います。

施術当日、または翌日にだるさや、お腹が下る等の反応が現れる場合がありますが一時的なものですので心配はありません(数時間から1日、長くても2日程でだるさは取れます)。

身体、心が鍼灸治療により「動かされる」ことにより「いらないもの、出したほうがいいもの」を心身が出そうとする反応と考えていただけたらと思います。

こうした反応のことを東洋医学では「好転反応(こうてんはんのう)」と言い、良くなるために必要な反応です。鍼灸治療を続けていくうちに少しずつ気持ちが落ち着き、皮膚の状態が楽になるようにお手伝いさせていただきます。

下図はそれぞれの経絡の働きが盛んになる時間を示してあります。アトピーの鍼灸治療を行う際に「どの経絡、どのツボをどの時間帯に鍼灸を受けていただくか」と言う意味を示しているとも取れます。アトピーでお悩みの方にとって、より効果を高めるために経絡、ツボを脈を診ながら確認して鍼灸を行います。

初診限定500円割引の3,300円
通常3,800円 一人一人に合った施術を行います。